高橋羚のメディアは報じないXで炎上した社会の闇について。

X(Twitter)で反響あった事を色々と書いています。

女性が犯した殺人罪の執行猶予率が「高い!」って怒っている人がいたからそれについてまとめた。

が先日Twitterであるツイートについて多くの方が反応していて、意見は勿論様々なので、その是非をここで論ずるわけではないですが、Twitter上の短文では足りなくて、伝え切れなかった事、多くの人が勘違いしている事を少しでも興味がある人には読んで欲しかったのでまとめました。

さて、その内容とはタブーなテーマではあるが、女性が殺人を犯した際に執行猶予、つまり刑務所に入らない可能性が高いとするフェミニズム活動家の発言である。

 

まずそのツイートから見ていこう。

それについて僕は引用RTした。

まとめると以上になってしまうが、どうゆう事だろうか??

 

先ずは「執行猶予」という制度を知っていますか?

執行猶予とは,わかりやすくいうと,刑事裁判で有罪判決をする場合に,いきなり刑務所行きにせずに一定期間待ち,その間に新しく罪を犯さなければ刑務所に行かなくてよくする,という制度です。執行猶予付きの判決が言い渡された場合は,その日のうちに釈放となり自宅に帰ることができ,通常の生活に戻ることができます。執行猶予の期間は,1年以上5年以下の範囲内で,裁判官が決定します。

引用元  刑事事件に強い元検事の弁護士へ相談|上原総合法律事務所

つまり前科持ちにはなりますが、刑務所に行かなくていいから更生してくださいね、って制度です。

まず基本的に殺人には執行猶予はつきませんが、殺人罪の法定刑は,死刑、無期または5年以上の懲役となっていて、裁判所は情状酌量、その他の理由を鑑みて減刑を行い,懲役下限を2年半まで引き下げることができます。

そしてその情状酌量とは裁判長の裁量が大きい。

その量刑が3年以下の懲役には法律上執行猶予をつけることができます。

これら全て刑法で認められている事です。

だから一言で「殺人!」と言っても、それ相当の事情もしくは理由等々が証明されれば、執行猶予をつける事が法律上可能なのです。


そして殺人事件の際に参考とされる永山基準というものがあります。

 

それは

1犯行の罪質 2動機

3態様(特に殺害方法の執拗=しつよう=さや残虐さ)

4結果の重大性(特に殺害された被害者の数)

5遺族の被害感情 6社会的影響

7犯人の年齢 8前科 9犯行後の情状

この9つが基準と言われていますが、この永山基準とは主に「死刑判決の基準」ですのでこの限りではありませんが、「殺人」という人を命を奪う行為をした裁判では、これ以外にもたくさんの事情などが調べられ、裁判で明らかになります。

裁判官は,憲法や法律に拘束されるほかは,良心に従って,独立して各事件について判断を行います(憲法第76条第3項)。

民事事件のうち民事訴訟では訴訟を起こした原告とその相手方である被告の双方の主張を聴き,提出された証拠を調べたりして,法律を適用し,原告の請求を認めてよいかを判断します。

刑事事件では,罪を犯したとして検察官に起訴された被告人について,検察官から提出された証拠を調べ,被告人やその弁護人の言い分や証拠も調べて,被告人が罪を犯したのかどうかを判断します。その上で,罪を犯したと認められる場合には,どのような刑罰を与えればいいのかも判断します。

引用元 裁判所

つまり裁判官も現行法の下、正しい判断を下す為に努力していると言えます。

しかし、裁判官も人間。

法律論では懲役刑でも、心証論では情状酌量する余地があるから、、、という判断をするものあります。

以下、一橋大学で行われた、元最高裁判所判事の千葉 勝美先生による御講演の記録です。是非読んでほしい。

http://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/hermes/ir/re/29593/hogaku0170202010.pdf

引用元 一橋大学

そのファイルを見てもらえばわかりますが、裁判官も悩みながら、苦しみながら判決を下しているのです。

そして一番は、女性は社会的弱い立場になるケースや不利になる事が日本ではまだまだ多い。

その中で行われる女性の殺人事件は一概に「殺人」とは言い切れず、色々な要素、原因が入り組んでいるのです。

よって、裁判官もデータなどに忖度し判決を出したりする必要はなく、男性だろうが、女性だろうが、しっかりと一人ひとりを分析し、それ相当の理由が酌量される場合は執行猶予の判決でも正しいと言えます。

だからデータが全てではなく、不確定要素(全て同じ裁判官ではない事や条件もランダムで因数分析できない)の影響も大きいので、我々は裁判官を信じるしかありません。

裁判官は、我々の代わりに社会で法律を破った人を、それまた法律を持って裁く訳です。